1.   1. 朝起きはすべての基本
  2.   2. 挨拶は人を動かす
  3.   3. よい結果は、準備次第
  4.   4. 一日、一回でよい
  5.   5. 手紙はすぐに書け
  6.   6. 出足を早く、引き足を早く
  7.   7. 人を感動させる話し方
  8.   8. 喜んで支払えば、お金は...
  9.   9. 即断即決の仕事法
  10. 10. 物の見方を変えるユーモア
  11. 11. 掃除は、最も簡単な修行法
  12. 12. エイッと明朗な心に切り替...
  13. 13. 職業が天職になっているか
  14. 14. 本気なら言葉に出して言う
  15. 15. 徹底的に見る
  16. 16. 「後始末」の習慣は世界を...
  17. 17. 日記で自分を成長させる
  18. 18. 労働でなく喜働でなければ...
  19. 19. 質素な生活は視野を広げ...
  20. 20. 理屈抜きに実験する
  21. 21. 事が済んだ後の心得
  22. 22. 心に空所を持つ
  23. 23. かけがえのない一瞬として...
  24. 24. 人を変えるよりも自分を改...
  25. 25. 思いやりが人の心を動かす
  26. 26. 妥協なき愛で叱る
  27. 27. 心の底から聴く
  28. 28. 人間、謙虚が第一
  29. 29. どんなことでも命がけでやれ
  30. 30. 姿勢を正せば、心境も正さ...
  31. 31. 洗面・入浴にも人柄が現れ...
  32. 32. 感謝の心なくして健康はない
  33. 33. 男は機関車のように生きよ
  34. 34. 女はゴムマリのように生きよ
  35. 35. 泣きたいときには泣け
  36. 36. 雨を喜ぶ
  37. 37. 大自然の立場に立つ
  38. 38. 教えは天地に満ちている
  39. 39. 気づいたらすぐする
  40. 40. 自分の根源は太陽にある
  41. 41. 断固たる決心が道を開く
  42. 42. 拝む形の大切さ

丸山敏雄の発見した、幸せになる生活法則


34 女はゴムマリのように生きよ

  男らしさが「陽の発動」であれば、女らしさは「陰の受容」である。
  女性が生み出す素直な曇りのない優しさに支えられて、男らしさも発揮される。

  昭和26年9月23日、丸山敏雄は飯田橋の東京大神宮で開かれた夫人講演会に顔を見せた。すでに体はひどく衰弱し、声もよく出ない状態でありながら、乞われて出席した。会場には400人ばかりの女性が、敏雄の話に期待を寄せていた。
  敏雄が登壇してしばらくすると、なぜか突然、マイクが故障してしまった。世話人たちは慌てたが、どうにもならない。敏雄は静かに聴衆を演壇の近くへ招き寄せ、小さな声でこう語った。
  「私は、長いこと、みなさんに『婦人は優しくなれ、優しくなれ、素直になれ』と申し上げてきました。しかし私は、この人が素直だ、優しい、という人を見ることはできませんでした。どうぞお願いします。これからは優しくなってください。私からお願いします。これからは、優しくなってください」
  敏雄の話はそれだけだった。しかし聴衆は、全身をふりしぼってようやく声にしたその言葉を聞いて、深い感動に包まれた。
  優しさとは「すべてを受け入れる」という心の構えから生まれる。男らしさが「陽の発動」であるのに対して、女らしさは「陰の受容」にある。素直さも、慎みも、潤いも、優しさに連なる女らしさの美徳は、みな受容の形をとる。
  だが、「陰の受容」は、引きこもった強情に陥りやすい。丸山敏雄が熊本にいたころ、若い未婚女性のための勉強会が開かれていた。ある日、講話を終えた敏雄は、一人ひとりに感想を尋ねた。その時、参加者の一人だった木之下光子は、何を言ってよいかわからず、最後までひと言も口を開かなかった。敏雄は最後にこう言った。
  「この中に、感想を述べなさいと言ったのに、答えなかった人がいる。そういうのを強情というんです。なんでも聞かれた時は、素直に自分の考えを発表するんですよ」
  木之下は驚いた。「おとなしくしている方が女らしくていい」と思い込んでいたからだ。その木之下は後日、母親の病気の見舞いに訪れた丸山敏雄から、「真而静」と書かれた色紙を贈られている。「真」とは、まこと、真心の意である。
  若者を対象にしたある日の講演で、丸山敏雄はこうも語っている。
  「女は、美しく、やわらかく、優しくゴムマリのようにやわらかい。しかし、ゴムマリだから押されるとへこむが、またもとに戻る粘り強い、強いものであります。女性が粘り強い優しさを小出しにするからであります。これが女性の真心であります。男はこれを一度に出す、女はいつまででも出す。このように婦人は、あくまで『陰』であります。美しいという最後のところで、そこからすべてが成就するのであります」
  敏雄にとって、女性の美しさは、真心から生まれる「優しさ」にほかならなかった。